「成果を出していたメンバーをリーダーにしたら、チームの数字が伸びなくなった」「マネージャーが自分で電話をかけてしまい、メンバーが育たない」という悩みは、インサイドセールス組織でよく見られます。

プレイヤーとして優秀なことと、チームを率いて成果を出すことは、求められるスキルが異なります。この記事では、インサイドセールスのリーダー・マネージャーに求められる役割、育成の進め方、育成力を高める研修と仕組みづくりを解説します。

インサイドセールスのリーダー育成が重要な理由

インサイドセールスは、活動量や商談化率などの数字が日々見える仕事です。そのため、数字の変化をいち早く読み取り、メンバーの行動を改善につなげるリーダーの存在が、チームの成果を大きく左右します。

また、インサイドセールスはメンバーの入れ替わりが起きやすい職種でもあります。新しいメンバーを早く育て、伸び悩むメンバーを支え、チームに定着してもらうには、リーダーの育成力が欠かせません。リーダーが育たないままメンバーを増やしても、教える人が足りず、組織全体の力は伸びにくくなります。

リーダー・マネージャーに求められる役割

インサイドセールスのリーダーやマネージャーには、主に次のような役割があります。

役割主な内容必要なスキル
目標・KPIの管理目標から逆算してKPIを設計し、進み具合を確認する数字の分析力、計画力
メンバーの育成ロールプレイング、録音の振り返り、フィードバック指導力、言語化力
モチベーションの支援1on1で悩みを聞き、成長を認めて伝える傾聴力、観察力
他部門との連携マーケティングやフィールドセールスと基準をすり合わせる調整力、説明力
仕組みの改善トークスクリプトやリードの定義、運用ルールを見直す課題発見力、改善力

KPIの考え方を詳しく知りたい方は、KPI設計の記事もあわせてご覧ください。

プレイヤーからリーダーへの移行でつまずくポイント

自分で動いて成果を出そうとしてしまう

プレイヤー時代に成果を出してきた人ほど、チームの数字が足りないときに自分で電話をかけて補おうとしがちです。短期的には数字が上がっても、メンバーの成長の機会が減り、長い目で見るとチームの力が伸びません。

自分のやり方を言葉にできない

優秀なプレイヤーは、良いトークやヒアリングを感覚的に行っていることが少なくありません。「なぜその質問をしたのか」「どこで判断したのか」を言葉にできないと、メンバーに再現してもらうことができません。

数字だけを追いかけてしまう

結果の数字だけを見て「もっと架電して」と伝えても、メンバーは何を変えればよいかわかりません。数字の背景にある行動や会話の中身まで見て、具体的な改善点を一緒に考える姿勢が必要です。

リーダー・マネージャーを育成する進め方

1. 求める役割と基準を明確にする

まず、自社のインサイドセールスのリーダーに何を求めるのかを言葉にします。上の表のような役割ごとに、「できている状態」を具体的に書き出しておくと、育成の目標と評価の基準がそろいます。

2. 自分のスキルを「教えられる」レベルにする

リーダーは、自分ができるだけでなく、他の人に教えられる状態を目指す必要があります。インサイドセールス検定では、スキルの習得を「知る」「わかる」「できる」「教えられる」の4段階で捉えています。この考え方を使い、自分のトークやヒアリングを分解して説明できるかを確認してみましょう。

3. 育成の型を身につける

フィードバックの伝え方、ロールプレイングの進め方、1on1の進め方など、育成には一定の型があります。型を学んでから実践し、上司や先輩リーダーから振り返りを受けると、育成力が安定して伸びていきます。1on1の進め方はマネジメント・1on1の記事で詳しく紹介しています。

4. 小さなチームから任せる

いきなり大きなチームを任せるのではなく、まずは新人1〜2名の育成担当やメンターから始めるのも一つの方法です。少人数で育成の経験を積み、うまくいった点と難しかった点を振り返ってから、担当範囲を広げていきます。

5. リーダー同士で学び合う場をつくる

リーダーは悩みを一人で抱え込みやすい立場です。リーダー同士で定期的に集まり、メンバー育成の悩みや工夫を共有する場をつくると、孤立を防ぎ、組織全体のマネジメントの質がそろっていきます。

例えば、月に一度、各リーダーが「今月うまくいった育成の工夫」と「困っていること」を一つずつ持ち寄る形にすると、準備の負担が少なく続けやすくなります。共有された工夫は、育成の手順書や教材に反映していきましょう。リーダー個人のノウハウが組織の仕組みとして残り、次のリーダーを育てるときにも役立ちます。

育成力を高める研修と仕組み

リーダーの育成力は、日々の実践の中だけで伸ばそうとすると時間がかかります。研修で体系的に学ぶ機会と、職場で実践を続ける仕組みを組み合わせることが効果的です。

  • 研修で型を学ぶ:フィードバックやロールプレイング、1on1の進め方を、演習を通じて身につけます。
  • 育成の記録を残す:メンバーごとの課題と取り組み、変化を記録し、育成の進み具合を見える化します。
  • リーダーへのフィードバック:上司がリーダーの1on1やロールプレイングに同席し、教え方そのものに助言します。
  • 評価に育成を含める:チームの数字だけでなく、メンバーの成長や定着もリーダーの評価に加えます。

外部のインサイドセールス研修を活用する方法もあります。インサイドセールスコンソーシアムの人材養成講座では、管理者の育成力強化にも対応しており、受講前に一人ひとりのスキルと課題を把握し、実践ワークを中心としたプログラムを設計します。導入事例の一つであるSaaS企業のC社では、営業組織の離職率が30%から5%に改善しました。

リーダー育成でよくある失敗と改善策

よくある失敗改善策
成績だけでリーダーを選ぶ育成や連携への関心、言語化の力も選ぶ基準に加える
任命したあとは本人任せにする定期的な振り返りと、上司からのフィードバックを続ける
プレイヤー業務を減らさない育成やマネジメントに使う時間を業務として確保する
育成の成果が評価されないメンバーの成長や定着を評価項目に入れる

よくある質問

Q. リーダーにはどんな人を選ぶとよいですか?

A. 成績が良いことに加えて、他のメンバーの相談に乗っている人、自分のやり方を説明できる人、他部門とのやり取りを苦にしない人は、リーダーとして力を発揮しやすい傾向があります。成績だけでなく、日頃の行動も見て判断しましょう。

Q. リーダーもプレイヤー業務を続けるべきですか?

A. 組織の規模によっては、リーダーが一部のプレイヤー業務を担うこともあります。その場合でも、育成やマネジメントに使う時間をあらかじめ確保し、プレイヤー業務に追われて育成が後回しにならないようにすることが大切です。

Q. リーダー育成の成果はどう確認すればよいですか?

A. チームの数字に加えて、新メンバーが独り立ちするまでの期間、伸び悩んでいたメンバーの変化、メンバーの定着などを確認します。1on1の記録やメンバーへの聞き取りから、育成の進め方そのものも振り返りましょう。

まとめ

インサイドセールスのリーダー・マネージャーには、KPI管理、メンバー育成、モチベーション支援、他部門との連携、仕組みの改善といった役割が求められます。役割と基準を明確にし、自分のスキルを「教えられる」レベルに高め、育成の型を学んで実践する流れをつくりましょう。研修と職場での仕組みを組み合わせることで、リーダーの育成力が高まり、チーム全体の成果と定着につながります。

リーダー・マネージャーの育成力を高めたい方へ

インサイドセールスコンソーシアムの人材養成講座では、管理者の育成力強化をはじめ、新人の一括育成や伸び悩むメンバーのマンツーマン支援まで、実践ワークを中心に支援しています。

インサイドセールス研修の詳細を見る | 無料で相談する