「架電数は増やしているのに、商談がなかなか増えない」「リードはあるのに商談につながらない」という悩みは、インサイドセールスの現場でよく聞かれます。このとき見直したい指標が「商談化率」です。

ただし、商談化率を上げるために、やみくもに架電数を増やしたりトークを変えたりしても、成果にはつながりにくいものです。この記事では、商談化率の計算方法と、数字が伸びない原因の見つけ方、商談化率を上げるための改善施策を順を追って解説します。

商談化率とは

商談化率とは、インサイドセールスが対応したリードのうち、どのくらいの割合が商談につながったかを示す指標です。インサイドセールスの成果をはかる代表的な指標のひとつで、KPI設計でも中心に置かれることが多い数字です。

商談化率の計算式

商談化率は、次の式で計算します。

商談化率(%)= 商談数 ÷ 対応したリード数 × 100

例えば、1か月に200件のリードに対応し、そのうち10件が商談になった場合、商談化率は「10 ÷ 200 × 100 = 5%」です。

注意したいのは、「対応したリード数」と「商談数」の定義をチーム内でそろえておくことです。分母を「接続できたリード」にするのか「対応したすべてのリード」にするのかで、数字の意味は大きく変わります。また、どの状態になったら「商談」と数えるのかがあいまいだと、正しく比較できません。

商談化率だけを見るのは危険

商談化率は、上げること自体が目的ではありません。引き渡しの基準をゆるめれば、数字は簡単に上がります。しかし、その結果フィールドセールスで受注につながらない商談が増えれば、組織全体の成果は下がってしまいます。商談化率は、受注率や商談の進み具合とあわせて見ることが大切です。

商談化率が上がらない原因を見つける方法

商談化率を上げるための第一歩は、どこで数字が落ちているのかを見つけることです。リードへの対応から商談までのプロセスを分解し、段階ごとの数字を確認します。

プロセスを分解して数字を見る

インサイドセールスの活動は、おおまかに次のような段階に分けられます。

段階見る指標数字が低いときに疑う原因
リスト・リード対応したリード数ターゲットがずれている、リードの質が低い
接続接続率(接続数 ÷ 架電数)架電の時間帯、連絡先の精度、架電のタイミング
会話キーマン接続率、会話継続率受付突破のトーク、冒頭の話し方
ヒアリング課題把握の件数質問の質、相手の関心をつかめていない
商談化商談化率提案のタイミング、商談の打診の仕方

例えば、接続率は十分なのに会話が続かないのであれば、冒頭のトークに課題がある可能性が高いと考えられます。逆に、そもそも接続できていないのであれば、トークより先に架電の時間帯やリストを見直すべきです。このように段階ごとに見ることで、手を打つべき場所がはっきりします。

リードの状態で分けて見る

リードの状態によっても、商談化のしやすさは変わります。インサイドセールスコンソーシアムでは、リードの状態を「BYNAME(キーマンの特定)」「KEEP(情報提供の許諾)」「PROBLEM(課題把握)」「SOLUTION(解決策の検討)」「PROSPECT(見込み客)」「PASSUP(アポ獲得)」の6段階で定義しています。

リードをこの段階で分類しておくと、「キーマンの特定で止まっているリードが多い」「課題は聞けているが、解決策の検討に進まない」といった、詰まっている場所が見えるようになります。

商談化率を上げる改善施策

原因が見えたら、段階に合った施策を打ちます。ここでは、代表的な改善施策を紹介します。

1. ターゲットとリストを見直す

商談化率が低い原因が、そもそも自社の商材と合わない相手に連絡していることにある場合があります。過去に受注した顧客の業種・規模・部署などを振り返り、ターゲットの条件を見直しましょう。リードの流入経路ごとに商談化率を比べると、力を入れるべきリードが見えてきます。

2. 架電のタイミングを工夫する

資料請求やセミナー参加の直後など、相手の関心が高いうちに連絡すると、会話につながりやすくなります。また、相手の業種や役職によってつながりやすい時間帯は異なります。自社の架電データを振り返り、接続しやすい時間帯を探しましょう。

3. トークスクリプトを改善する

冒頭の数十秒で「話を聞く価値がある」と感じてもらえなければ、会話は続きません。自社の説明から入るのではなく、相手に関係のある話題や、相手の業界でよくある課題から入るように工夫しましょう。改善のポイントはトークスクリプトの作り方でも解説しています。

4. ヒアリングの質を高める

商談化率を上げるうえで、最も効果が大きいのがヒアリングです。相手の課題を深く理解できれば、「その課題について詳しくご相談しませんか」と自然に商談を打診できます。「なぜ」「具体的には」と一歩深く聞くことを、チームの習慣にしましょう。

5. 商談化しなかったリードを追い続ける

今すぐ商談にならなかったリードも、時間がたてば検討が進むことがあります。メールでの情報提供や定期的な連絡で関係を続け、検討が始まったタイミングを逃さないようにしましょう。追いかける仕組みがあるかどうかで、中長期の商談化率は大きく変わります。

6. フィールドセールスと基準をそろえる

どの状態になったら商談として引き渡すのかを、フィールドセールスと話し合って決めておきます。引き渡した商談がその後どうなったかを共有してもらうと、インサイドセールス側も「どんな商談が受注につながるのか」を学べます。

改善を続けるための進め方

商談化率の改善は、一度施策を打って終わりではありません。次のような流れで、継続的に改善していきましょう。

  1. 数字を確認する:段階ごとの数字を週次で確認し、落ちている場所を見つけます。
  2. 仮説を立てる:通話の録音やヒアリングの記録を見て、なぜ数字が落ちているのかを考えます。
  3. 施策を1つに絞って試す:一度に多くを変えると、何が効いたのかわからなくなります。
  4. 結果を振り返る:一定期間試したら数字を比べ、続けるか見直すかを判断します。

個人ごとの数字の差に注目するのも有効です。商談化率が高いメンバーの通話を聞き、うまくいっているトークや質問をチームで共有すると、全体の底上げにつながります。

よくある質問

Q. 商談化率の目標はどのように決めればよいですか?

A. 商材や対象とする企業、リードの種類によって適切な水準は異なるため、他社の数字をそのまま目標にするのはおすすめしません。まずは自社の現状の数字を正しく測り、そこからどれだけ改善するかを目標にしましょう。受注目標から逆算して必要な商談数を出し、目標を決める方法もあります。

Q. 商談化率と架電数は、どちらを優先すべきですか?

A. 立ち上げ期は、まず一定の活動量を確保しないと改善のためのデータがたまりません。ある程度の量をこなせるようになったら、段階ごとの数字を見ながら質の改善に重心を移していくのが一般的な進め方です。

Q. メンバーによって商談化率に差がある場合はどうすればよいですか?

A. 数字の高いメンバーと低いメンバーの通話を聞き比べると、差が生まれている場面が見つかります。うまくいっている話し方を言葉にしてチームで共有し、ロールプレイで練習する場をつくりましょう。

まとめ

商談化率を上げるには、まずプロセスを段階に分けて数字を確認し、どこで落ちているのかを見つけることが出発点です。そのうえで、リスト、架電のタイミング、トーク、ヒアリング、追客、フィールドセールスとの連携など、原因に合った施策を1つずつ試していきましょう。商談化率は受注率とあわせて見て、「数は増えたが質が下がった」という状態にならないよう注意することも大切です。

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